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暗闇の中で、抱きしめたハンドバッグ その2

  •  投稿日:2015-12-13
  •  カテゴリ:ブログ
遅くなりましたが、前回の続きです。


------------暗闇の中で感じた、自分の本心------------



私のいる客間はすべて襖を閉めてあり、蛍光灯の小さな豆電球がついていました。
ひとりきりで疲れたこともあるのか、そのまま私は静かに眠りに落ちたのです。

それからどれくらい時間が経ったのかわかりません。
無性にトイレに行きたくなって、部屋の襖をそっと開けます。
既に叔父も叔母も寝てしまったようで、家中が真っ暗。
それでもトイレを済ませて客間へ戻った私は、部屋に飾ってある遺影のひとつに
目が行きました。

・・・なんとなく私を見てる気がする・・・

一度気になってしまうと、全てが気になり始めます。
いくつも飾ってある遺影全てが自分を見ているような気がして
なんだか急に怖くなりました。
表ではカエルが煩いくらい大合唱をしているのに、それすら怖く感じてしまう。
たまにどこかの犬が吠えるのも怖い。
見えているものは昼と全く同じはずなのに、自分には全く違うものに感じました。
部屋の薄暗さも、振り子時計のカチカチと規則的な音も
変に胸をざわつかせます。
東京の夜と違い、田舎の夜は闇が深い。

小学生の自分でも闇の深さに気が付きました。

「仏壇からお化けが出てきたらどうしよう」
「そのお化けに連れていかれて、死んじゃったらどうしよう」
「縁側から窓ガラスを割って、変な人が入ってきたらどうしよう」
怖い想像ばかりが頭に浮かんでは、寝ようとする私を邪魔してきます。

・・・お母さん、どうしてるのかな・・・

半べそになって母を思い出すと、母のハンドバッグのことを思い出しました。
急いでハンドバッグを胸に抱きしめて布団の中で丸くなります。
途端に我慢していた強がりの涙がポロポロ。

私はひとりで何でもできると思っていたのに。
ひとりで買い物もできるし、電車にだって乗れる。
ひとりで留守番だってできるし、弟の面倒だってみれる。
お昼ごはんのラーメンだって、ひとりで作れる。
ひとりで出来ないことなんて、なにもない!
だって大人だもんって思い込んでいました。

でも、私はひとりでお泊りすることができない。

お姉ちゃんの家に泊まる時は、隣でお姉ちゃんと一緒に寝ていたし、
東京の自分の部屋では、ひとりだけど隣の部屋に両親がいる安心感がありました。
私は、本当はひとりじゃ何も出来ないのかも知れない。
まだまだ子供なんだ。
守られていないと何も出来ないじゃないか。
私は強くない、弱いんだ。
暗闇の中で、そんな弱い自分と、正面切って向き合えたような気分でした。


-----------思っているほど、強くなかった-----------



「おはよう、起きた??」
叔母の声で目が覚めました。

どうやらハンドバッグを抱えたことで、安心して泣きながら寝たようでした。
私が母のハンドバッグを握りしめて寝ていたことは、叔母の口から
遊びにきたお姉ちゃんや、その兄弟たちにすっかりばらされていました。
「まだまだ子供だなー」とからかわれました。
でも自分の弱さや、守られていた安心感に気付いてしまったので
なんともバツが悪く、照れ笑いしたことを覚えています。


自分の力を過信して、失敗した時。

何十年経った今でも、あの時の恐怖心とハンドバッグを抱きしめた時の安心感を
思い出すことがあります。
そして、その時感じた自分の弱さを思い出して初心に戻ります。
私は、自分で思っているほど強くない。
自分で思っているほど、なんでも出来る訳じゃない。
もちろん、気持ちを奮い立たせるために
思い出しているのだと思うんですけどね。
怖くて仕方なかったけれど、等身大の自分としっかり向き合えた
なんともいい思い出です。

もしかしたら、こんな思い出を、いろんな形でみんな持っているのかも知れないですね。
そう考えると、思い出のひとつひとつに気付きがあるってことなんでしょうね。
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